マグナル「エリク、司会放棄すんの?じゃあちょっと俺に貸してよ。やりたいゲームがあるんだ」 エリク「好きにしろ…」 マグナル「おー、やった。おーい、みんな注目注目!マグナルお兄さんと楽しい思考ゲームしようぜ!」 リリト「何するの?」 ペペロンチーノ「何かくれるのか?」 マグナル「甘いもんはないけど、頭脳労働するから甘いもんは美味くなるぜ。ウミガメのスープってゲームなんだけど、誰か知ってるか?」 アルフレッド「(ウミガメって何だ)」 ライラ「??」 グレン「知らないッスね」 エリク「知らん」 リリト「ウミガメって食べれるんだねー」 ティール「あぁ……あれか」 リラ「知らない」 マグナル「知ってんのはティールだけか。ま、簡単に説明すると、出題者が出した問題に、回答者はイエスかノーか関係ない、と出題者が答えられるような質問を重ねて、問題の答えを導き出していくゲームだ」 シェア「??」 マグナル「出題した方が早いな。ティールは上手く誘導してくれよ」 ティール「はいはい」 マグナル「問題。とあるレストランに来た男が、ウミガメのスープを頼んで食べた。彼は一口食べるとすぐにシェフを呼び、『これはウミガメのスープかね?』と尋ねた。シェフは「さようでございます」と答えた。男は席を立ち、その夜自殺した。何故男は自殺をしたのか答えよ」 ティール「あー……、男は本当に自殺をした?」 マグナル「イエス……とこんなふうに質問をしてくれ」 アルフレッド「俺もそのクッキーくれ」 グレン「興味を示してない…」 エリク「……」 リリト「ダメだよ、司会者が寝たら!」 シェア「よくわかんないから、俺もクッキー食べる」 マグナル「……あーそっかぁ、興味ないかぁ。この問題の答えを当てた人に、コネで手に入れた高級ホテルのビュッフェ食べ放題チケットをあげようと思ってたのになー。しょうがねぇなぁー。これどうしようかなぁー。俺が誰かと行ってきちゃおうかなー」 アルフレッド「何事も挑戦だな(ライラと行こう)」 グレン「(姉さんと行こう)」 ライラ「(1人分はプラスして3人で行きたい)」 エリク「(リリトと行けばしばらく機嫌がいい)」 リリト「そうだね。こっちのメンバーは力にものを言わせすぎなのよ!(絶対エリクと行く)」 ギスタ「頭脳ゲームは苦手だが……(夫婦で行くか)」 シェア「母さんと父さんにプレゼントする」 リラ「友達と一緒に行く!」 ティール「リラ、それ女の子だよね?っていうかさ、俺答え知ってるから誘導役なのに、これどうあがいても俺にチケット手に入らな」 マグナル「よーし、質問受け付けるぜ―!」 ティール「聞けよ……え、誰も聞いてくれない……」 エリク「男は店に来る前から自殺することを決めていた?」 マグナル「ノ―!だが良い着眼点!」 グレン「ウミガメのスープだったから自殺を決めた?」 マグナル「イエス!それは重要だ」 リリト「男はウミガメのスープに執着、思い入れがあった?」 マグナル「イエス」 ティール「もう一度聞く。ウミガメのスープに執着があったのか?」 マグナル「ノ―」 ライラ「男はその店に来たことがあった?」 マグナル「ノ―」 リラ「ウミガメのスープはおいしくなかった?」 マグナル「んー……これは俺の予測だけど、ノ―。それはあまり重要ではない」 アルフレッド「男はシェフと顔見知りだった?」 マグナル「ノ―。それは重要ではない」 シェア「わかった。ウミガメのスープには爆弾が入れられていて、店を出た後に胃の中のスープが爆発」 マグナル「なにそれグロい!ノ―!ノ―!自殺だって言ったでしょ!?」 ティール「そうだなぁ……自殺した男は以前、ウミガメのスープを飲んだことがあったか?」 マグナル「イエス!重要な質問だ」 グレン「以前スープを飲んだときには1人じゃなかった?」 マグナル「! イエス!それは重要だ!」 エリク「以前飲んだときは大切な人と一緒だった?」 マグナル「うーん……答えには明確に表記されてないから推測なんだけど、イエス」 ギスタ「……以前飲んだときは、家族と一緒だった?」 マグナル「ノ―」 リリト「スープを飲んで男は何かを思い出した?」 マグナル「イエス!」 ティール「それは辛い思い出か?」 マグナル「イエス!」 ライラ「次にスープを飲むことがあれば自殺すると誰かと約束していた?」 マグナル「ノ―」 シェア「スープがまずかったから憤死……」 マグナル「ノ―な。ノ―。お前はまず問題文をよく思い出せ!」 ティール「あー……、男が今回飲んだウミガメのスープと、以前飲んだウミガメのスープの味は同じだったか?」 マグナル「ノ―!」 ギスタ「……それは、作った人が違うからか?」 マグナル「ノ―」 ティール「作った人は関係ない?」 マグナル「イエス」 アルフレッド「以前と味が違って落胆した?」 マグナル「…………ニュアンスとしてはイエス。だがもっと違う表現方法があると思うぜ」 シェア「あ、味が違って、絶望した?」 マグナル「お、イエス。お前、まともなことを……」 リリト「同じ味のスープを飲むことに意味があった?」 マグナル「んー……ノ―、かな」 ティール「男は、以前飲んだスープを懐かしんで、レストランのスープを頼んだ?」 マグナル「イエス。おそらくそれ以上の理由はない」 リラ「ウミガメのスープかぁ。私飲んだことないや。そういえば、スープにはウミガメのお肉が入ってるの?」 マグナル「おっと、イエス!」 シェア「わかった。たぶんレストランにはNINJAが潜んでいて、こっそりスープに毒を仕込んだんだ。男は毒が仕込まれているのをわかってたけど、過去にこう、うん、ふわふわなんかあって飲むか!って決断をして飲んだから夜になって死んで、自殺扱いになった」 マグナル「ツッコミどころがありすぎる上にノ―!」 グレン「男はもしかしてウミガメだったりしますか?」 マグナル「ノ―。でもそういう確認質問は大事だな」 リリト「シェフがウミガメ?」 マグナル「ノ―。グレンとリリトは常識にとらわれない感じで、このゲームに向いてるなぁ」 リリト「以前スープを飲んだときに一緒にいたのがウミガメだったり?」 マグナル「ノ―」 ティール「……以前スープを飲んだときに一緒にいたのは、男の仕事仲間だった?」 マグナル「イエス」 ライラ「その仕事はウミガメに関係する仕事ですか?」 マグナル「! うーん、イエス、かな。もう少し質問を絞ればはっきりイエス、ノ―で答えられる」 ギスタ「ん?じゃあ、ウミガメを見ることがある仕事か?」 マグナル「イエス」 リラ「お世話をする仕事?」 マグナル「ノ―」 ティール「んー、ここらへんで情報をはっきりさせとくか。男はレストランで出されたウミガメのスープを飲んで、自殺することを決めた?」 マグナル「イエス」 シェア「あれ?終了じゃない?」 マグナル「なんで自殺することにしたかって、背景を探るゲームだからなコレ」 ティール「そうだな。男の仕事は海に関係する仕事か?」 マグナル「イエス」 ティール「船乗り?」 マグナル「イエス」 エリク「船に乗ってるときにスープを飲んだ?」 マグナル「! ノ―!だがそれは重要な質問だ!」 リリト「ねぇねぇ。まさか船が遭難して自分だけ無傷で生き残って、生き残るために仲間の肉を食べた。とか?」 マグナル「おっ!もうほとんど正解だな、それ。ってことでリリトにチケットをプレゼント!」 リラ「おお〜!リリトおめでとう!」 リリト「わーい!ありがとう!ありがとー!」 ペペロンチーノ「良かったのぉ」 ライラ「すごいですね、リリトさん」 リリト「エリク、一緒に行こうね!」 エリク「ああ」 マグナル「で、答え合わせな。男は昔船乗りだったが、ある日嵐に遭い、遭難してしまった。一緒に洞窟に流れ着いた仲間たちは、体力の無いものから死んでいく。彼らは生きるために、死んだ仲間の肉を食べることに決めたが、男だけはそれに頷かなかった。しかしどんどんやせ細っていく男を哀れんだ仲間が、「これはウミガメのスープだから」と言って男に死んだ仲間の肉を食べさせた。それから時が立ち、男はレストランでウミガメのスープを食べる。しかし味が違うことに気付いた男はあのとき食べたスープが仲間の肉のスープだったことに気付いて自殺してしまうって話でした」 アルフレッド「まっったく思いつきもしなかった、そんなこと」 グレン「しばらく肉を食べ辛いっス…」 ギスタ「えげつない話だった」 マグナル「まぁ、うん。だから『仲間の肉を食べた』ってキーワードが出たら正解にカウントしようって決めてたんだよ」 ギスタ「それでも相当にえげつない発想なんだが」 アルフレッド「まぁ、腹が減ったらなんでも食べるよな」 リリト「そうだねー」 グレン「ここの2人怖いんですけど!」 ティール「たぶんそれ、心の闇の部分だからそっとしておいてやりなさい。っていうか誰か俺を褒めてくれよ。結構仕事したぞ」 ライラ「お疲れ様でした、ティールさん」 エリク「おつかれ」 ペペロンチーノ「クッキーいるか?」 リラ「ティール、お疲れさま!格好良かったよ!」 ティール「何これ、俺泣きそう。感動で泣きそう」 ギスタ「良かったな。で、ゲームも終わったし、そろそろお開きの時間なんじゃないか?」 アルフレッド「お嬢ちゃん」 リリト「なに?」 アルフレッド「俺はそのチケットが欲しい。くれ」 リリト「ダメ!これは私の!」 アルフレッド「だから今ここで勝負しようぜ。俺が勝ったらそれをくれ。お前が勝ったら引越しでもなんでもしてやるよ」 リリト「男に二言は無いよね?」 アルフレッド「不利な勝負は仕掛けない」 マグナル「それじゃあ、俺ゲストだからもう帰るわ!」 ティール「あっ、おまっ、アイツ逃げ足速ぇぇっ!」 ギスタ「エリク。止める気があるなら止めて来い」 ライラ「そんな大人気ないこと止めてください!」 アルフレッド「武器は使わないから大丈夫だって。でも女だからって容赦はしない」 グレン「(そんなことしてるからいつまでも許されないといつ気づくんだろう)」 リリト「そんなこと言って、負けてライラに愛想つかされたらいいのよ!」 エリク「俺はもう帰る」 シェア「マシュマロ食べたい」 リラ「私も食べたくなってきちゃった」 ギスタ「それじゃあ、今から行くか」 ティール「おい、ギスタ。お前逃げようとしてるよな、この事態を俺に押しつけて行こうとしてるよな、もう俺も帰るからな!」 エリク「サイダードロップス同窓会どうだっただろか。楽しんでいただけたなら幸い。では」 ペペロンチーノ「最後まで適当じゃのぉ」 |